サロン経営で考えておきたい保険のこと
美容サロンは、綺麗をつくる場所でありながら
人の身体に触れ、薬剤や器具を扱う現場でもあります。
肌が少し赤くなったり
薬剤が服に付着してしまったり
器具の熱が思ったより強く出てしまったり。
ていねいに施術をしていても、
こうした“ほんのわずかなズレ”が起こる瞬間はどうしてもあります。
さらに、設備の水漏れや停電で
突然、営業を止めざるを得ないケースもゼロとは言い切れません。
スタッフの手や腰を痛めてしまうこともあり得ます。
だからこそ最初に範囲を決めておくほうが、迷いが少なくなる場面は多いように感じます。
本日はサロンの保険について改めて見直してみましょう。
サロンで保険を選ぶときの視点
サロンで検討する保険は、大きく3つの領域に整理できます。
1|対人・対物(施設賠償)
施術に伴う肌トラブル、薬剤付着、持ち物の破損などに関する賠償対応。
2|休業補償
火災・水漏れ・設備トラブル・怪我などで営業が止まった場合に、どのケースを「休業」と認定して補填するのかが焦点になります。
3|スタッフの怪我(労災+上乗せ)
労災は原則として加入が必要。
そのうえで、どこまでを上乗せ補償として扱うかを比較する領域です。
契約前に確認したい質問項目
以下は、見積もり時に聞きやすい質問例です。
対人・対物(施設賠償)
・肌トラブルはどの範囲まで対象になりますか?
・薬剤の付着はどこまで対象になりますか?
・自己負担金額(免責)はありますか?
休業補償
・何が“休業扱い”になりますか?
・除外されるケースはありますか?
・補償期間は最大どれくらいですか?
・売上基準はどの資料で算定しますか?
スタッフ
・業務委託や派遣でも対象になりますか?
・外部イベントや出張対応は対象になりますか?
書面
・補償範囲が比較できる一覧表はありますか?
・除外事項をまとめた資料は出してもらえますか?
このあたりは、話だけで判断するより
書面で範囲を照らし合わせるほうが、判断の基準がぶれにくいと言われています。
Femmee編集部まとめ
サロンは、お客様の生活や気持ちの一部を預かる場所でもあります。
だからこそ保険は「不安に備える」というより
“続けるための下支え”として扱うと
心の中での位置づけが変わるのではないかと思います。
毎日の施術に集中するために
未来のトラブルを静かに整理しておくと判断の負担が減る場面は増えそうです。

