小さなサロンが再ブランディングで復活

2025年、美容業界では「再ブランディング(Rebranding)」によって新しい顧客層を獲得するローカルサロンが増えています。中でも、ある地域密着サロンの成功例が注目を集めています。小さなサロンでもSNS発信とストーリーマーケティングを掛け合わせれば、再スタートのチャンスをつかめることを示しています。
きっかけは“停滞”からの再出発
このサロンは、数年前にオープンしたもののコロナ禍以降は予約数が伸び悩み、常連客の来店頻度も減少。そんな中、オーナーは一度立ち止まり、「いまのブランドは誰に向けているのか?」を見直しました。
まず取り組んだのは、店舗ロゴとビジュアルの刷新。そしてSNSの方向性を「メニュー紹介」から「人と物語を伝える発信」に切り替えました。スタッフの日常やお客様の声、サロンが大切にしている想いを中心に投稿し始めたのです。
インフルエンサーとの連携と“ファン化”戦略
再ブランディングのもうひとつの柱となったのが、地域インフルエンサーとのコラボでした。
フォロワー数よりも「地域での信頼度」を重視し、実際に施術を受けてもらい、その体験を自然に紹介してもらう形を採用。結果として、投稿から数日以内に新規予約が急増しました。
また、メールマガジンやLINE公式アカウントを活用し、「キャンペーン案内」ではなく「日々のケア情報」を届けることで、顧客との関係性を深める動きも強化。小さなサロンでも“ファンコミュニティ”を育てることができることを実証しました。
“人の温度”を感じるサロンが選ばれる時代
この事例の特徴は、派手な広告や値引きに頼らず、「人の温度が伝わる発信」で共感を得たこと。スタッフの笑顔やサロンの日常風景、施術の手元など、リアルで丁寧な投稿が信頼を呼び、結果として顧客が戻ってきたといいます。
特にInstagramやTikTokなどの短尺動画では、過剰に編集しない“ありのままの雰囲気”が好感を集める傾向にあります。編集よりも誠実さ、完璧さよりも共感が重視される――そんな時代の空気を反映したサロンの成功例です。
編集部コメント
ブランドを変えるとは、見た目を変えることではなく「伝え方を変えること」。 SNSが飽和した今こそ、“自分の言葉”で発信できる小さなサロンが強い時代です。再ブランディングは、決して大きな投資が必要なわけではなく、方向性と誠実な発信の積み重ねから生まれるもの。 このサロンのように、等身大の魅力を再定義することで、新しい顧客との関係を築くサロンがこれからも増えていくでしょう。
参照: “Rebranding, Relaunching, Rising: A Salon’s Success Story”(2025年)
