海外ネイルサロン市場は拡大中|安全志向とナチュラル需要が追い風
ネイルサロン市場は急拡大している

ネイルサロン業界は、美容サービスの中でも安定した成長を見せている分野の一つです。世界市場は2024年時点で約135億ドルに達し、2030年には200億ドル規模に拡大すると予測されています。
市場拡大の背景には、以下のような要因があります。
- SNSによるネイルアートの拡散でトレンドの回転が早まり、プロの技術が求められるようになった
- 日常的なセルフケアでは満足できず「プロ仕上げ」の価値が高まった
- ネイルを“美容院の一部”ではなく“独立した体験型サービス”として楽しむ文化が浸透してきた
ネイルは単なるオシャレの一部から「自己表現の手段」へと進化し、消費者の支出は今後も増加すると見込まれます。
高級化と体験型サービスの台頭
近年、ネイルサロンは単なる施術の場から「体験を楽しむ場所」へと変化しています。
- 高級志向のサロンでは、カフェのような空間デザインを取り入れる
- スパトリートメントやマッサージを組み合わせた複合メニューを提供
- プレミアムブランドの商材を導入し、“特別感”を演出
こうした取り組みは、価格競争に巻き込まれずに顧客単価を引き上げる効果があり、サロン運営の安定性にもつながっています。
安全志向とナチュラル需要の高まり
一方で、市場拡大の裏側で注目されているのが「安全志向」です。
美しさだけでなく健康面を気にする顧客が増え、以下のようなニーズが広がっています。
- 低刺激・無毒性のポリッシュ:アレルギーや化学物質への不安を和らげる
- オーガニック・ヴィーガン対応商材:ナチュラル志向の顧客を引きつける
- 成分表示と透明性:使用製品を明示し、信頼を得る
特にヨーロッパではジェルポリッシュの一部成分規制が進み、サロンにとって「安全な製品を選び、顧客に説明する力」がブランド力のカギになっています。
実際のサロン事例:London Grace
ロンドン発の「London Grace」は、安全とナチュラルを両立するサロンとして世界的に注目されています。ヴィーガン対応のポリッシュを使い、化学成分を抑えたクリーンな施術が特徴です。さらにカフェを併設し、顧客が友人とお茶を楽しみながらネイルを受けられる“体験型サロン”として人気を集めています。
この事例は、単なる技術力だけでなく「安心感と居心地の良さ」を提供することが、次世代サロンの成功要因になることを示しています。
ネイリストが取るべきアクション
1. 使用商材の透明化
「どんな成分を使っているのか」をきちんと伝えることで、顧客の安心感と信頼を得られます。
2. ナチュラル志向メニューの導入
ヴィーガンやオーガニック対応のアイテムを積極的に導入し、新規顧客を引きつけるきっかけに。
3. 情報発信によるブランディング
安全性や最新規制への対応をSNSやブログで発信し、「安心して任せられるプロ」として差別化。
まとめ
世界のネイルサロン市場は着実に拡大を続けており、2030年には200億ドルに迫る規模になると予測されています。その成長を支えているのは、美意識の高まりだけではなく「安全でナチュラルなサービスを求める顧客の声」です。
今後のサロン経営においては、最新のトレンドと同時に“安心感”を提供できるかどうかが鍵になります。ネイリスト自身が学び、透明性と信頼を高める取り組みを行うことで、成長の波に乗り続けることができるでしょう。
参考リンク
